金曜ロードショー「プレデター」
(1987年アメリカ)▽シュワよ肉食獣より強いのはなぜなんだ!?
プレデター◇87年、米。アーノルド・シュワルツェネッガー。中南米のジャングルを舞台に、エイリアンとコマンド部隊との戦いを描く。ジョン・マクティアナン監督。コマンド隊長のシェイファー(シュワルツェネッガー)は、中南米で撃墜されたヘリコプターに乗っていた3人の閣僚の救出に向かう。同行するのはかつての戦友で、CIA部員のディロン(カール・ウェザース)のほかコマンド隊の精鋭5人。しかし、彼らを待ち受けていたのは、宇宙から飛来した生命体"プレデター"だった。体を透明化させ周囲の風景に溶け込み牙をむくプレデターに、隊員たちは次々に倒されていく。
ジョン・マクティアナン, アーノルド・シュワルツェネッガー, カール・ウェザース, 玄田哲章
【解説・みどころ】
本作「プレデター」が公開された1987年といえば、「スタンドバイミー」や「私をスキーに連れてって」、「マルサの女」が公開され、光GENJIがデビューし、マドンナやマイケル・ジャクソンが初のワールドツアーで日本公演した年である(少し脱線)。今でこそCGを使えば簡単な映像だが、昭和終盤の未だアナログな時代において、プレデターという異星からの侵略者を新鮮な映像で見せてくれた大ヒットアクション!配役・シチュエーションはがらりと変わってしまったものの、1992年には続編「プレデター2」、2004年にはもはや異種(同種?)格闘戦な「エイリアンVSプレデター」も公開された。
カメレオンのように姿を変え、ジャングルに隠れつつ突如襲いかかり、スリルを求めて「人間狩り」をするプレデター。有効な対抗策を見いだせぬまま、一人また一人「狩られて」いくシェイファー一行。うっそうとしたジャングルを舞台に、これでもか!!というくらい撃ちまくる銃撃戦や、残虐かつ狡猾なプレデターとの駆け引きが見所。時折挟まれるサーモグラフィ(感熱カメラ)映像も恐怖心をあおる!
監督は後に「ダイ・ハード」シリーズや、「レッド・オクトーバーを追え」などの非常に秀逸な作品を送り出したジョン・マクティアナン。制作は「48時間」「ストリート・オブ・ファイヤー」「トゥーム・レイダー」のローレンス・ゴードン/ジョエル・シルヴァーと、「アイ,ロボット」「エラゴン 遺志を継ぐ者」のジョン・デイヴィス。脚本はジェームズ・E・トーマスとジョン・C・トーマス。二人は「プレデター2」「エグゼクティブ・デシジョン」「ミッション・トゥ・マーズ」「エネミー・ライン」を手がけている。
主演のダッチ・シェイファーにはもちろんアーノルド・シュワルツェネッガー。誰もが知っている彼だが、今回は登場の仕方がある意味すごい!ヒゲにサングラスに葉巻で登場である。少々痩せて(しぼって)見えるため、かなり精悍な印象を受ける。それもそのはず、度重なるハードなスタントアクションを要求された彼は、10kg以上の減量を余儀なくされたという。
そのシェイファーの戦友でもあるディロンにはカール・ウェザース。フットボールの名選手として名を馳せていたウェザースは、1974年に本格的に俳優に転進するために引退。1976年公開の「ロッキー」で、無敵のヘビー級チャンピオンであるアポロを演じ、続編では主人公のライバルにして親友という重要な役を演じた。また「未知との遭遇」「ナバロンの嵐」などにも出演している。
ゲリラ拠点にいたアンナには「彼女を見ればわかること」「ソラリス」「美しい人」のエルピディア・カリーロが、紅一点好演している。敵として恐ろしい強さを見せつけるプレデター役だが、もとは当時無名のジャン=クロード・ヴァン・ダムが役についていたというが、最終的にはケヴィン・ピーター・ホールが演じることとなった。始終プレデターとして凶悪な仮面をかぶり、顔を出すことはない彼だが、最後のシーンでヘリコプターの操縦士として出ているので見逃さないように。
もちろんプレデターは怖いが、
「血が出るなら殺せる」と言い放つシュワちゃんも怖い!
【ストーリー】
海岸沿いの軍事基地に1台のヘリコプター到着した。アメリカ軍の救出部隊の隊長であるダッチ・シェイファー少佐(アーノルド・シュワルツェネッガー)一行は、元戦友でCIAの友人ディロン(カール・ウェザース)から、南米のジャングルで行方不明となった要人の救出と調査の依頼を受けた。シェイファーとマック(ビル・デューク)、ビリー(ソニー・ランダム)、ポンチョ(リチャード・チャベス)、ブレイン(ジェス・ベンチュラ)、ホーキンス(シェーン・ブラック)、そしてディロンは要人の救出に向かい、早速墜落しているヘリコプターを見つけたが、その中には無惨な死体が・・・さらに捜索を進めると、逆さに吊された死体を発見した。しかし辺りにはそれらしい足跡もなく、何か奇妙な気配を感じつつも行進を続けるシェイファーたち。
目的地であるゲリラ基地に到着し、急襲をかけて基地を壊滅状態にするが、そこですでに死んでいた要人の正体がディロンの部下であること、そして惨殺されていたのが別働隊であることを知ったシェイファーは、ディロンが仕掛けたCIAの偽装工作に利用されたことに気づき怒る。ディロンは国際問題に関する重要な文書を奪い、自分だけの手柄にしようとしていたのだ。しかしその時、ゲリラの応援が近くまで来ているということを知り急いで逃げることに。そこへ忍び寄る到底ゲリラではあり得ない不気味な影が1体・・・それには全く気がつかない隊員達。基地で捕虜にした女性ゲリラのアンナ(エルピディア・カリロ)が逃げだし、追うために単独行動に出たその時、透明なソレは牙をむいた!
見えない相手に怯えながらも、なんとか反撃しようとするシェイファー一行。その中で原住民であるアンナが「暑い夜には人間を襲い、皮をはぐ悪魔が現れる」という昔話を語る。シェイファー達はトラップを利用した攻撃を試みるが、あっさりと破られ逃げられてしまう。さらに追い詰めたものの次々に返り討ちに遇い、変わり果てた姿になっていく隊員達・・・最後に残ったのはシェイファーただ一人だった。
生き残ったシェイファーは、アンナを逃がすと一人で相手を引き付ける。そこでシェイファーは、相手の行動からとある弱点を見いだし、罠をかけ反撃に出るが・・・果たしてそれは・・・。
【キャスト・スタッフ】
< STAFF >
監督 ジョン・マクティアナン
製作 ローレンス・ゴードン、ジョエル・シルヴァー、ジョン・デイヴィス
脚本 ジェームズ・E・トーマス 、ジョン・C・トーマス
音楽 アラン・シルヴェストリ
撮影 ドナルド・マッカルパイン
編集 マーク・ヘルフリッチ、ジョン・F.フィンク
衣装 リンディ・ヘミング
美術 ジョン・ヴァロン
< CAST (声の出演) >
ダッチ・シェイファー アーノルド・シュワルツェネッガー(玄田哲章)
ディロン カール・ウェザース(菅生隆之)
アンナ エルピディア・カリロ(塩田朋子)
マック ビル・デューク(麦人)
ビリー ソニー・ランダム(大友龍三郎)
ホーキンス シェーン・ブラック(神谷和夫)
ポンチョ リチャード・チャベス(大塚芳忠)
ブレイン ジェス・ベンチュラ(青野武)
プレデター ケヴィン・ピーター・ホール(大友龍三郎)
加藤精三
田中正彦
幹本雄之
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