金曜ロードショー「バットマン ビギンズ」
(2005年アメリカ)▽絶望と恐怖から再生したヒーロー誕生秘話シリーズ最新作登場!!
バットマンビギンズ◇05年、米。クリスチャン・ベール。人気アメリカンコミックを映画化。闇のヒーロー"バットマン"誕生に至る主人公の秘められた過去を描く。クリストファー・ノーラン監督。大富豪の家庭に育ったブルース(ベール)は少年時代、井戸で遭遇したコウモリの大群に圧倒的な衝撃を受け、さらに両親が目の前で殺されて大きなショックを抱え込む。やがて父の残した企業を受け継ぐが、強いトラウマと親の敵への復讐(ふくしゅう)心は消えず、犯罪者の心理を知るため自ら罪人となる。そんなある日、ブルースはデュカード(リーアム・ニーソン)と出会い、不正と闘うことを決意。彼の勧めで、ヒマラヤの奥地に潜む自警団"影の同盟"の下で心身を鍛え、心の闇を解放する。
クリストファー・ノーラン, クリスチャン・ベール, リーアム・ニーソン, 渡辺謙
【解説・みどころ】
1989年から続く実写版「バットマン」第5作として製作された、むしろ第0作とも取れるバットマン生誕の謎に迫る壮大なストーリー。ゴッサム・シティの善なる力としてのダークヒーローになるまでを描いている。
両親の愛を一身に受け、何不自由なく暮らしていたブルース・ウェインが、何故、どのように、何のためにバットマンになったのかを描いている。今までの作風と比べると、「唐突」感がない現代風の馴染みやすい世界観で、ある意味「見やすく」なっているといえるのではないだろうか(味気ないと感じる方もいると思うが・・・)。また、第1作目「バットマン」とは設定が違っている所が多少あるが、実はこちら「ビギンズ」の方が原作コミックスに忠実な設定となる。
ブルース・ウェイン/バットマンを演じるのはクリスチャン・ベール。「太陽の帝国」「若草物語」「コレリ大尉のマンドリン」などに出演している。ご覧になった方も多いと思う「ハウルの動く城」、このアメリカ版ではハウルの声優をつとめている。彼は直前に「マシニスト」でやせ細った役をしていたため、バットマン役を演じるに当たり、数ヶ月で30kg以上の肉体改造を果たすという役者魂を見せつけ、また完全に正義ではない、善と悪の間で揺れ動く「身近なヒーロー」を見事に演じた。その後、第79回アカデミー賞撮影賞・美術賞にノミネートされた「プレステージ」でマジシャン役を演じ、クリストファー・ノーラン監督と再会を果たしている。
そのクリストファー・ノーラン監督だが、モットーが「リアルに行こう、リアルに行こう。」だった。あまりCGに頼らずに撮影を行ったため、撮影は4ヶ月という長期に渡った。使用されたバットモービルは全部で8台にのぼり、そのうち5台は実用に耐えるガソリン車。しかもカーチェイスシーンもCGではなく、特殊カメラを使った実写という凝りよう。
バットマンと言えば、ケープを広げてゴッサムの夜空を飛ぶシーンがみものだが、このシーンにも視覚効果はいっさい使われていないという。撮影のウォーリー・フィスターは「バットマンが飛行するショットはすべて実写。カメラをワイヤーで吊り、サウンドステージの端から端までバットマンに飛んでもらいました。距離にして2キロ半くらいかな。ここにもクリスのモットーが活きているんです。」と証言している。
「視覚効果の極意はリアルな映像を生み出すこと。つまり、実写を使うに越したことはないんです。」と視覚効果監修のダン・グラスは説明している。当然至極ごもっともである。「外から見たゴッサムシティ」も、本作で初めて見られる。ここも見所なので見逃さないように。
ノーラン監督は「メメント」「インソムニア」「プレステージ」と、数々の話題作を監督しているが、なんと本作「バットマン ビギンズ」の続編となる「The Dark Knight」が、2008年9月日本公開に向け撮影中である。次回はどんなゴッサムシティでゾクゾクさせてくれるのか、今から楽しみである。
【ストーリー】
ウェイン家の屋敷の庭でブルース・ウェインとレイチェル・ドーズは元気に遊んでいた。しかし勢い余って井戸に落ちてしまったブルース。その奥に続く洞窟から突如コウモリが噴出してきた。それからというもの、コウモリが恐怖の対象となってしまい夜な夜なうなされるブルース・・・悪夢から目が覚めた場所は刑務所だった。
刑務所で騒ぎを起こし独房に入れられたブルース(クリスチャン・ベール)に、突如話しかけてきた男がいた。ヘンリー・デュカード(リーアム・ニーソン)と名乗った彼は、独房から出す代わりに「ヒマラヤに咲く青い花を見つけ頂上に持ってこい。そうすれば伝説になれる。」といい姿を消した。
ヘンリー・デュカードに言われたとおり、ヒマラヤ頂上に着いたブルースを待っていたのは、真の正義を守るために戦う「影の同盟」というラーズ・アル・グール(渡辺謙)率いる謎の組織だった。そこでブルースは数々の武術を習い、正義を貫くために修行を重ねた。そう、すべてはあの日・・・両親を殺した犯人への復讐、自分への罪悪感に打ち勝つためだけに。
長引く不況で貧困に喘ぐ、ゴッサム・シティに舞い戻ってきたブルース。両親を殺した犯人に復讐しようと準備していた彼は、裁判を終えた直後に犯人が殺害されてしまう現場に出くわす。一方、ブルースの幼なじみで地方検事補のレイチェル・ドーズ(ケイティ・ホームズ)は、凶悪犯たちをなかなか有罪にすることができない。そのレイチェルに連れてこられたバーで、ブルースは犯罪組織のトップに君臨するカーマイン・ファルコーニ(トム・ウィルキンソン)らの仕業によって、司法制度が上層部から腐敗しきっていることを知る。
代々ウェイン家の執事を努めるアルフレッド(マイケル・ケイン)、ウェイン社応用科学部という名ばかりの倉庫係に左遷させられたフォックス(モーガン・フリーマン)の協力を得て、悪夢にまで見た恐怖体験を基にある計画を実行し始める。「他人の恐怖を支配するには、まず自分の恐怖を支配すべきだ。自らが恐怖となれ。」と教えられた通りに・・・不気味な姿をした「もうひとりの自分」を解き放つ。それは、闇の騎士バットマン。格闘技術、英知、最新鋭の戦闘ツールを総動員し、悪の集団に立ち向かうが・・・それ以上に手ごわい集団がゴッサム・シティの壊滅を企んでいた!
【キャスト・スタッフ】
< STAFF >
監督・脚本 クリストファー・ノーラン
製作 エマ・トーマス、チャールズ・ローブン、ラリー・J・フランコ
製作総指揮 ベンジャミン・メルニカー、マイケル・E・ウスラン
脚本・原案 デイビッド・S・ゴイヤー
撮影 ウォーリー・フィスター、A.S.C.
美術 ネイサン・クローリー
編集 リー・スミス、A.C.E.
衣装 リンディ・ヘミング
音楽 ジェームズ・ニュートン・ハワード
< CAST (声の出演) >
ブルース・ウェイン/バットマン クリスチャン・ベール(東地宏樹)
アルフレッド・ペニーワース マイケル・ケイン(中村正)
レイチェル・ドーズ ケイティ・ホームズ(高橋理恵子)
ヘンリー・デュカード リーアム・ニーソン(津嘉山正種)
ラーズ・アル・グール
渡辺謙
ルーシャス・フォックス
モーガン・フリーマン(坂口芳貞)
ジム・ゴードン ゲイリー・オールドマン
Dr.ジョナサン・クレイン/スケアクロウ キリアン・マーフィー
カーマイン・ファルコーニ トム・ウィルキンソン
リチャード・アール ルトガー・ハウアー
山路和弘
小川真司
関 俊彦
塩屋浩三
矢島晶子
山像かおり
秋元羊介
藤原美央子
梁田清之
木村雅史
石田太郎
緒方文興
井上倫宏
てらそままさき
藤本 譲
阪口周平
幸田夏穂
小柳洋子
武 虎
PR