金曜ロードショー「コン・エアー」
(1997年アメリカ)▽機内が戦場に!?死闘の末ラスベガスに激突
コン・エアー◇97年、米。ニコラス・ケイジ。仮釈放となった元軍人の服役囚が、護送機を占拠した囚人らに孤立無援の戦いを挑む。サイモン・ウェスト監督。歴戦の兵士だったポー(ケイジ)は、身重の妻トリシア(モニカ・ポッター)をかばったはずみで人を殺してしまった。家族との再会を夢見て刑務所での生活に耐えたポーは、模範囚として仮釈放に。家族のもとへ向かうため、連邦保安局の護送機"コン・エアー"に乗り込む。そこには厳重警備施設に移送される凶悪な囚人たちも同乗していた。知能犯サイラス(ジョン・マルコビッチ)の指揮の下、護送機が囚人たちに乗っ取られる。
サイモン・ウェスト, ニコラス・ケイジ, ジョン・マルコビッチ, ジョン・キューザック, スティーブ・ブシェミ, 大塚芳忠, 樋浦勉
【解説・みどころ】
超重量級のアクション・エンターテイメント『ザ・ロック』で全世界に衝撃を与えた製作ジェリー・ブラッカイマーと主演ニコラス・ケイジが再び手を組んだ、途方もないスリルとスピードに満ちた驚愕のサスペンス・アクション巨編『コン・エアー』!1997年6月6日に全米で公開されるや『ロスト・ワールド』を抜いて全米No.1に輝き、オープニング3日間で興収2,410万ドルをあげる大ヒットを記録。これは『ダイ・ハード3』のオープニング記録を打ち破る驚異的な成績である。さらに18週間チャート・インを続け、約1億100万ドルの興行収益を記録した。
≪コン・エアー≫とは、アメリカ連邦保安局の空輸隊であり、出廷、医療緊急事態、囚人護送などのために毎年15万人をこえる囚人の移送を行っている。新聞記事でこの空輸隊の存在を知った脚本家のスコット・ローゼンバーグが実際に取材に赴き、本作品の着想を得た。 心ならずも殺人を犯し、8年間の服役を終えて愛する家族の元へ戻るべく≪コン・エアー≫に乗り込んだ主人公キャメロン・ポーを演じるのは、『リービング・ラスベガス』(96)でアカデミー主演男優賞のみならず、ゴールデン・グローブ賞、アメリカ俳優組合賞などを総なめにし、ハリウッドの頂点に立ったニコラス・ケイジ。
ニコラス・ケイジの主演決定後、新鮮でパワフルな共演者探しが始まった。脚本のローゼンバーグは友人のジョン・キューザック、スティーブ・ブシェーミを心に留めて、連邦保安官のビンス・ラーキン役と連続殺人犯ガーランド・グリーン役を創造した。いわゆるアクション映画タイプの俳優ではない2人が出演を快諾したのは、その力強い脚本と「最高の俳優人をそろえる」というブラッカイマーの保証。
キャスティング決定に最も苦労したのは、ハイジャックの首謀者であるサイラス・グリサム役だ。主人公と対となる柱的な存在であり、圧倒的な恐怖とともにその底力に魅力を感じさせる複雑なキャラクターにジョン・マルコビッチが決定したのは製作開始数日前のことだった。強烈な個性を放ち、高い評価を集めるジョン・マルコビッチ。2003年公開予定の15世紀のボルジア家を描いた『BORGIA』ではマキャベリを演じている。
難航しただけあり、この作品のキャスティングはまさに贅沢と言えるほどの完璧さだ。ちなみにレイプ魔ジョニー23を演じるダニー・トレホは実生活においてもかつて重警備刑務所の囚人であった貴重な体験の持ち主。受刑中に中毒生活に終止符を打ったトレホは、現在ではすっかり更正し、麻薬常用者やアルコール中毒者のカウンセリングも務めている。
200キロのスピードでラスベガスの通りに墜落していくコン・エアー機。辛うじて着陸したものの、機体は人で溢れるカジノに突っ込んでいく…。このアクションのクライマックス・シーンは、ラスベガスの歴史的建造物サンズ・ホテルを使用した。たまたまロサンゼルス・タイムスに出ていたサンズ・ホテル取り壊しの記事を見て、映画撮影終了までホテルの解体を延期するよう開発業者を説得。本物のC?123K機の中身を取り出して軽くし、ホテルの前に機体を引っ張るためのケーブルを設置した。1回きりの爆破のチャンスを収めるために15台のカメラが用意され、2,000人のギャラリーが見守る中、アクション史上に残るスペクタクルな突入シーンが撮影されたのである。
製作のジェリー・ブラッカイマーは、故ドン・シンプソンとの黄金コンビによる『フラッシュ・ダンス』『ビバリーヒルズ・コップ』『トップガン』など時代を代表するメガヒットを次々に放ち、85年、88年と2度に渡ってプロデューサー・オブ・ザ・イヤーに輝く、エンターテイメント界のトップに君臨するプロデューサー。その後も『アルマゲドン』など大ヒットを飛ばし続けている。
監督のサイモン・ウエストは本作が長編映画デビューであるが、音楽ビデオやコマーシャルの監督として活動し、カンヌのゴールデン・ライオンなど数々の広告賞に輝いている。
【ストーリー】
勇敢な陸軍突撃隊員として数々の勲章に輝いていたキャメロン・ポー(ニコラス・ケイジ)は、身重の妻トリシア(モニカ・ポッター)をタチの悪い酔っぱらいから守ろうとしたはずみで人を殺し、第一級殺人罪で10年の刑に科せられる。服役中に娘が誕生し、一日も早く家族と再会することだけを心のよりどころとして、ポーは苦難に満ちた獄中生活を耐え忍んだ。
8年の歳月が流れ、模範囚として晴れて仮釈放となったポーは、まだ見ぬ娘ケイシーの8歳の誕生日に故郷アラバマに戻ることになった。夢見心地で連邦保安局の空輸システムである航空機≪コン・エアー≫に乗り込むが、やがて自分が場違いな乗客であることに気づく。そこにはアラバマに新設された兇悪犯専用の超厳重警備施設に移送されるため、全米刑罰史上最も凶悪な囚人たちの一団も搭乗していた。
冷酷な知能犯サイラス・グリサム(ジョン・マルコビッチ)、通称“猛毒”のサイラス。39歳で25年間を刑務所で過ごし、獄中で独学により2つの学位を取得。服役中も11人の囚人を殺し、3度の暴動、2度の脱獄の首謀者。37人を惨殺した快楽殺人犯ガーランド・グリーン(スティーブ・ブシェーミ)。23人の女性を強姦し、その犠牲者の数をハートの入れ墨で身体に刻むジョニー23(ダニー・トレホ)etc…。
そして事件は起きた。サイラスの指揮の下、周到に計画され完璧に統率のとれた兇悪犯たちの連携プレーで≪コン・エアー≫は、ハイジャックされたのである。ポーにとってはまさに悪夢のできごとだったが、次の寄港地カーソンで降りるチャンスを得た時、彼は機内に残ることを選ぶ。重病を患っている刑務所仲間ベイビー・オー(ミケルティ・ウィリアムソン)と、囚われの身となった唯一の女性護送官ビショップ(レイチェル・ティコティン)を見捨てることはできなかった。「正義の突撃隊は忘れろ」と説得するベイビー・オーにポーは「女性を見捨てるような男を娘がどう思う?」と答えるのだった。
その頃地上では、≪コン・エアー≫の異変に気づき大騒ぎとなる。搭乗の囚人たちのデータを調べた連邦保安官ラーキン(ジョン・キューザック)が、ポーの存在を知る。彼の軍人としての経歴と、カーソンで降りるチャンスを逃していることに注目し、妻トリシアから話を聞くに従って、ラーキンはポーが味方であるチャンスに賭ける心を固める。そして、なんとか彼と連絡を取ろうとするのだが…。
【キャスト・スタッフ】
< STAFF >
監 督 サイモン・ウエスト
脚 本 スコット・ローゼンバーグ
製 作 ジェリー・ブラッカイマー
製作総指揮 チャド・オーマン、ジョナサン・ヘンスレー、ピーター・ボガート、ジム・カウフ、リン・ビグロー
撮 影 デビッド・タッターソルB.S.C.
アート・ディレクター エドワード・T・マカボイ
編 集 スティーブ・ミルコヴィッチA.C.E
視覚効果スーパーバイザー デビッド・ゴールドバーグ
スタント・コーディネーター ケニー・ベイツ
空中シーン・コーディネーター クレグ・ホスキング、J・デビッド・ジョーンズ、ダーク・ベイル
音 楽 マーク・マンシーナ、トレバー・ラビン
< CAST(声の出演) >
キャメロン・ポー ニコラス・ケイジ(大塚 芳忠)
ビンス・ラーキン ジョン・キューザック(森川 智之)
サイラス・グリサム ジョン・マルコビッチ(樋浦 勉)
ガーランド・グリーン スティーブ・ブシェーミ(青山 穣)
ダイアモンド・ドッグビング・ライムズ(宝亀 克寿)
ベイビー・オー ミケルティ・ウィリアムソン(後藤 哲夫)
トリシア・ボー モニカ・ポッター(田村 真紀)
サリー・ビショップ レイチェル・ティコティン(玉川紗己子)
辻 親八
かないみか
小島 敏彦
藤本 譲
檀 臣幸
藤原 啓治
古田 信幸
田中 正彦
水野 龍司
樫井 笙人
稲葉 実
楠見 尚己
茶風林
大川 透
石井 隆夫
星野 充昭
小形 満
廣田 行生
西 宏子
喜田 あゆ美
遠藤 純一
三浦 智子
彩木 香里
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