金曜ロードショー 「ワールド・トレード・センター」
9月11日。世界が大きく揺れたあの日 絶望の中に一筋の光が灯された-。世界を感動に包んだ勇気と希望の実話が、ついに地上波初登場!
?アメリカに暗闇が訪れた朝、希望を胸に命をかけた人たちがいた? 2001年9月11日。アメリカ同時多発テロ事件が起きたあの日、人間の心と絆がそこにはあった。約3000人が亡くなったワールド・トレード・センターの倒壊現場から救出されたのは、20名。瓦礫の下でどのようにして救出を待ち奇跡の生還を遂げたのか。そして過酷な状況を見守る家族や救助活動にあたった人達の真実の物語。
【解説・みどころ】
2001年、9月11日。ちょうど8年前の今日。アメリカ時間の午前8時46分(日本時間午後9時46分)あなたはなにをしていましたか?
このとき、ニューヨークのワールド・トレード・センター北棟にアメリカン航空11便が、続けて9時3分にユナイテッド航空175便が南棟に激突した。そして、ニューヨークのランドマークは多くの人の命を道連れに、わずか2時間足らずで瓦礫の山と化してしまった。なにが起きたのかも分からず、恐怖と悲しみに襲われた人たちは、ただただその場で泣き崩れることしかできなかった。そして、この日から世界は変わった――。
『ワールド・トレード・センター』は、文字通り9月11日のアメリカ同時多発テロ事件が起きた場所そのものを舞台にした作品だ。しかし、そこには政治的な背景や、民衆の感情が爆発するような描写は一切ない。代わりに、人を信じ、助け合い、そして希望を持ち続けるという、人間の心と絆が深く描かれているのだ。約3000人が亡くなったワールド・トレード・センターの倒壊現場から救出されたのは、20名。この18、19番目となったのが、ニューヨーク港湾公社警察の巡査部長ジョン・マクローリンと、巡査ウィル・ヒメノだった。二人は自らの命を顧みず、ビル内に閉じ込められた人々救済しようとして被害にあった警察官だった。本作は、この二人が任務でワールド・トレード・センターの事故現場に駆けつけてから、被害にあい、瓦礫の下でどのようにして救出を待ち奇跡の生還を遂げたのか。そして、その過酷な状況を見守る家族や、彼らの救助活動に当たった人たちの真実の物語なのだ。
メガホンを握るのは本人もニューヨーク出身のオリバー・ストーン監督。論争を呼ぶ作品を得意とし、これまでに3度のアカデミー賞に輝いている監督だが、本作では政治や風刺を一切排除。人間が直面した現実とその心に焦点を絞り、新たな感動作を生み出した。さらに、映画の半分以上の時間は瓦礫の中という、映像的にまったくドラマがない場所で繰り広げられる葛藤を、見事なまでにスクリーンに映し出している。また、巡査部長ジョン・マクローリンを演じる主演のニコラス・ケイジと、巡査ウィル・ヒメノを演じるマイケル・ペーニャも、倒壊した瓦礫の中で体が動かない設定だけに、顔と声だけで演技をするという難役に挑戦。すさまじい役者魂をみせつけている。
役者の演技のほかにも注目すべきは、劇中でマイケル・ペーニャが演じているウィル・ヒメノ本人が、警官役で出演していることだ。「すべての人へ生きる勇気を与えるため、そしてこの世を去った多くの仲間たちのことを考えて本作に出演した」と、奇跡の生還から5年経った2006年の映画公開時、ヒメノ氏は語っていた。さらに、本作ではポートオーソリティのバス・ターミナルが史上初めて撮影を許可するなど、ニューヨーク市が撮影に全面協力。人が、街が、ニューヨークが、悲劇を乗り越えようとひとつになり、本作は完成に至ったのだ。ニューヨークでヒメノ氏が口にした、まさにこの映画を象徴する言葉が印象深い。
「僕はあの日、自分の仕事をしただけで決して英雄なんかじゃない。本当の英雄は、いつ新たに崩れるか分からない倒壊現場で、日中夜諦めずに僕たちを救出しようと動いてくれた人たちだ」
想像を絶する過酷な状況の中でも生きることを諦めなかった人、危険を顧みず助けることを諦めなかった人、そしてそれを映像化して世界に伝えようと、多くの非難を受けながらも映画製作を諦めなかった人――すべての人たちの思いが、今夜スクリーンに映し出される。
【ストーリー】
ニューヨークの港湾局警察では、普段と変わらない一日が始まろうとしていた。
巡査部長ジョン・マクローリン(ニコラス・ケイジ)が勤務配置の通達を告げ、「お互いを守り合い、事故のないように」という彼の言葉とともに、それぞれが持ち場へと出発した。34歳の港湾局巡査ウィル・ヒメノ(マイケル・ペーニャ)はこの日、ポート・オーソリティ・バス・ターミナルを巡回していた。上空を、轟音をたてながら低空飛行で過ぎ去っていく飛行機が気になった。
午前8時46分、世界貿易センタービルの北棟に旅客機が激突し、北棟が爆発炎上した。現場の警察官たちは全員本部に呼び戻され、即座に北棟の緊急避難援助チームが結成された。1993年の世界貿易センタービル爆破事件の救済にあたった経験を持つマクローリンがリーダーとなり、このチームにヒメノも加わった。そして、チームは現場に急行したが、現場到着寸前の9時3分、彼らは南棟も炎上したことを知る。93年の爆破事件で現場を経験したマクローリンでさえも、目の前の状況に呆然とするしかないほど、今回の状況はひどかった。しかし、彼らに躊躇している暇はなかった。逃げられずにいる上階の人々を救済するには、炎上する棟内に入るしか道はない。マクローリンとともにビル内部に入ることを志願したのはヒメノ、ドミニク(ジェイ・ヘルナンデス)、アントニオ(アルマンド・リスコ)、クリス(ジョン・パーンサル)の4人。
突入班は意を決してビルに入ったが、その時、再び轟音が鳴り響き、ビル全体が崩壊してしまう。
やがて暗闇と静寂が訪れる。そして奇跡的に5人のうち3人は命をとりとめたことを知る。ヒメノとマクローリンは完全に体が瓦礫に埋まり身動きがとれないが、ドミニクだけは体を動かせた。助けが来ることを信じ、お互いに声を掛けあい、生存を確かめあい、3人は何とか生きようとするが――。
一方、世界貿易センタービルの現場に夫が駆け付けたことを知ったマクローリンやヒメノの家族は、ほかの家族同様、夫の安否を気遣っていた。4人の子を持つマクローリンの妻ドナ(マリア・べロ)は、帰らぬ夫を心配しながらも気丈に振る舞っていた。しかし、身重なヒメノの妻アリソン(マギー・ギレンホール)は、ショックで動揺してしまう。錯綜する情報の中で、「夫は生きている」という希望を胸に祈るしかなかった……。
【キャスト・スタッフ】
<監督>
オリバー・ストーン
<脚本>
アンドラ・バーロフ
<原案>
ジョン&ドナ・マクローリン
ウィル& アリソン・ヒメノ
<製作>
マイケル・シャンバーグ
ステイシー・シェア
モーリッツ・ボーマン
デブラ・ヒル
<製作総指揮>
ドナルド・J・リーJR
ノーム・ゴライトリー
<撮影>
シーモス・マクガーベイ
<プロダクション・デザイナー>
ジャン・ローエルス
<編集>
デビッド・ブレナー、ジュリー・モンロー
<衣装>
マイケル・デニソン
<音楽>
クレイグ・アームストロング
<視覚効果>
ジョン・シール
<ジョン・マクローリン>
ニコラス・ケイジ(山路和弘)
<ウィル・ヒメノ>
マイケル・ペーニャ(小森創介)
<アリソン・ヒメノ>
マギー・ギレンホール(吉田陽子)
<ドナ・マクローリン>
マリア・ベロ(塩田朋子)
<スコット・ストラウス>
スティーブン・ドーフ(横島亘)
<アントニオ・ロドリゲス>
アルマンド・リスコ(新垣樽助)
<ドミニク・ペズーロ>
ジェイ・ヘルナンデス(鉄野正豊)
<デイブ・カーンズ>
マイケル・シャノン(入江崇史)
<警察官>
ウィル・ヒメノ
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