金曜ロードショー「トータル・フィアーズ」
(2002年アメリカ)▽誰が地球最後の男か
トータル・フィアーズ◇02年、米。ベン・アフレック、モーガン・フリーマン。米国とロシアがけん制し合う中、核戦争の恐怖が強まり、CIAの情報分析官が戦争回避に奔走する。フィル・アルデン・ロビンソン監督。ライアン(アフレック)は恋人に内証で、CIAでロシア担当の情報分析官をしている。ある日、ロシアの現職大統領が死亡し新大統領にネメロフ(シアラン・ハインズ)が就いたことから、ライアンはCIA長官のキャボット(フリーマン)とともにロシアへ飛ぶ。後日、ホワイトハウス主催のパーティーに出席していたライアンは、ロシアがチェチェンの首都に毒ガス攻撃を仕掛けたことを知る。ライアンは、これはネメロフの指令ではないと考えるが、ネメロフ本人がテレビで自分の決断だとコメントする。
フィル・アルデン・ロビンソン, ベン・アフレック, モーガン・フリーマン, ジェームズ・クロムウェル, 山寺宏一
【解説・みどころ】
ロシアとアメリカ大統領の食い違いから巻き起こる、ともすれば世界を消滅しかねない激しい戦いは、テロの脅威が身に迫るようになった現代、実際起こりうるリアリズムをもって迫りくる!
ご存知トム・クランシー原作「ジャック・ライアン」シリーズ映画化第4弾!ジャック・ライアンといえば、第1弾「レッド・オクトーバーを追え」ではアレック・ボールドウィン、第2弾「パトリオット・ゲーム」・第3弾「今そこにある危機」ではハリソン・フォード、そして本作ではベン・アフレックがあたった。物語としてはまだ結婚をしていないところから、ハリソン・フォードよりも前の時代だと考えられ、後にハリソン・フォードに繋がる若かりしジャック・ライアンを見事に演じた。
ジャックを演じるベン・アフレックが、本作について「ただのアクション映画は作らないフィル・ロビンソン監督が、知的なサスペンスを撮るという点に、とても興味をそそられた」と語った。そんな彼は「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」で、幼なじみの親友マット・デイモンと共にアカデミー脚本賞を受賞。また「ハリウッドランド」ではジョージ・リーヴス(彼が演じた「役」は超有名!そう、スーパーマンのあの人!!)を好演し、ヴェネチア国際映画祭男優賞を受賞、ゴールデン・グローブ賞助演男優賞にもノミネートされ、名実ともに不動の地位を築いているが、ついに「Gone Baby Gone」で監督デビューをも果たした。今後の活躍が楽しみな俳優の一人である。
本作でモーガン・フリーマン扮するのは、CIAの上司であるキャボット。普段は厳しい長官だが、時折見せる威厳とユーモアを織りまぜた表情は、さすがの名演技である。彼は新作「ザ・コード(原題)」の主演が決まっており、アントニオ・バンデラス扮する若いペテン師と、モーガン・フリーマン扮するベテラン泥棒がコンビを組むという、本作とは正反対の役に挑んでいる。続報をお楽しみに。
本作では、小説からの変更点がいくつか見られ、最も大きい変更部分として、原作で犯人は中東の反米活動家であった点が挙げられる。しかし、アメリカ同時多発テロ以降この設定は変更され、極右団体の設定となった。設定こそ変更となったが、世界中に散らばる危険の火種が集まったとき、想像を絶する危機が起こりうるという大筋は変わっていない。なぜなら、その危機感こそが『恐怖の総和』(The Sum of All Fears)なのだから。
【ストーリー】
1973年、第四次中東戦争において、追い詰められたイスラエル軍から核弾頭を搭載した戦闘機が飛び立った。しかしその核弾頭は爆発することなく砂漠に埋もれ、誰にも発見されることはなかった。遊牧民の手により29年の長き眠りから目覚め、とある人物の手に渡った・・・それはまさに恐怖の目覚めであった。
ジャック・ライアン(ベン・アフレック)は、ロシア担当のCIA情報分析官。恋人のキャシー(ブリジッド・モイナハン)と甘いひとときを過ごしていた彼は、突然本部に呼び出される。長官のキャボット(モーガン・フリーマン)の前に連れてこられた彼は、現職のロシア大統領が急逝したことを聞かされ、そのままロシアへ行くことになった。
ロシアで核弾頭の解体が行われている研究所を訪れた一行。その時ライアンは、研究所で働いている人数が3人足りないことに気がつく。その事をネメロフの政治顧問に問いただすも、どこか不自然な回答しか得られない。アメリカに戻ってきたキャボットは、3人の捜索を腕ききの工作員ジョン・クラーク(リーヴ・シュライバー)に託す。
一方、ロシア行きでキャシーとの約束を破ってしまったライアンだが、キャボットの計らいにより、ホワイトハウス主催のパーティーに招かれる。しかしファウラー大統領(ジェームズ・クロムウェル)の演説中、参列者の携帯が一斉に鳴り出した!なんとロシアがチェチェンの首都に毒ガス攻撃を仕掛けたという。大統領以下危機対策チームにより緊急会議が開かれ、ネメロフの仕業かどうか意見を聞かれたライアン。彼は「ネメロフではない」と断言するが、TVに映し出されたネメロフが放った信じられない声明は・・・。
クラークは3人の行方を追跡するうちに、核弾頭がアメリカに運び込まれたことを知る。そしてその場所は、大統領とキャボットもいる、スーパーボウル開催中のボルチモアだった!ライアンの連絡によりなんとか一命を取り留めた大統領だが、チェチェンの一件からロシアが攻撃してきたと思いこみ、反撃に出るアメリカ軍。そしてそれを迎え撃つというロシア軍。お互い疑心暗鬼に駆られ、恐怖におびえながらもギリギリの交渉を続けるが、ついに最終段階へと到達してしまう。
その頃、核弾頭の成分分析を終了したライアンは、とある事実を手に入れるが、すでに二人の大統領は決意を固め・・・ライアンは世界の破滅を止めることができるのか!?
【キャスト・スタッフ】
< STAFF >
制作総指揮 トム・クランシー、ストラットン・レオポルド
製作 メイス・ニューフェルド
監督 フィル・アルデン・ロビンソン
原作 トム・クランシー(『恐怖の総和』(The Sum of All Fears))
脚本 ポール・アタナシオ、ダニエル・パイン
撮影 ジョン・リンドレー,ASC
プロダクション・デザイナー ジャニーニ・オッペウォール
衣装デザイン マリー・シルヴィ・ドュヴォー
編集 ニール・トラヴィス,A.C.E.
特殊視覚効果スーパーバイザー グレン・ニューフェルド
音楽 ジェリー・ゴールドス
< CAST (声の出演) >
ジャック・ライアン ベン・アフレック(山寺宏一)
ウィリアム・キャボット モーガン・フリーマン(池田勝)
ファウラーアメリカ合衆国大統領 ジェームズ・クロムウェル(中村正)
ジョン・クラーク リーヴ・シュライバー(山路和弘)
リチャード・ドレスラー アラン・ベイツ(小川真司)
ベッカー国防長官 フィリップ・ベイカー・ホール(藤本譲)
オーウェンズ国務長官 ロン・リフキン(佐々木勝彦)
リーヴェル国家安全保障顧問 ブルース・マッギル(稲垣隆史)
ネメロフロシア大統領 シアラン・ハインズ(屋良有作)
キャシー・マラー医師 ブリジット・モイナハン(田中敦子)
納谷六朗
弥永和子
金尾哲夫
北村弘一
大川 透
塚田正昭
伊藤和晃
水野龍司
田中正彦
岩崎ひろし
さとうあい
天田益男
荒川太郎
楠見尚己
咲野俊介
楠 大典
本田貴子
小林沙苗 ←AirForceOne のオペレーター
岸 祐二
津嘉山正種
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